サヴァン症候群:一部の分野でのみ秀でた才能を持つ人とは?(知的な小話209)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

サヴァン症候群とは

サヴァン症候群とは、知的障害や発達障害のある人のうち、特定の分野だけに限って秀でた能力を発揮することができるという症状を指します。

イギリスの医師であるジョン・ランドン・ダウンは、膨大な量の文章を一度読んだだけで、全て記憶し、それを逆から読み上げるという離れ業をやってのける男性に会いました。

その男性は、人間離れした記憶力を持っていましたが、その他の学習能力は至って普通でした。

ジョンがその男性を「イディオ・サヴァン」(賢い白痴)と呼んだことから、サヴァン症候群という呼び名が広まるようになりました。

サヴァン症候群の原因については特定されていませんが、脳の器質因に関連するという説が有力です。

自閉症患者の10人に1人がサヴァン症候群と言われています。

ダスティン・ホフマン主演の映画『レインマン』は、サヴァン症候群を題材とした名作です。

実際の事例

サヴァン症候群は特定の分野に対してのみ優れた能力を発揮することのできる症状ですが、その分野は人によって多岐に渡ります。

・ランダムな年月日の曜日を言える

・素数と約数を瞬時に判断できる

・航空写真を一瞬見るだけで細部まで描き起こすことができる

・電話帳や円周率を暗唱できる

・並外れた暗算ができる

・一度聴いただけで音楽を再現できる

・多数の言語を自由に操ることができる

このように、サヴァン症候群の持ち主は、特定の分野で人並外れた能力を発揮できます。

しかし、その分野以外では全くその能力が活かされない場合が多いです。

例えば、カレンダーの曜日を一瞬で判別できる人が、通常の足し算ができない場合があります。

また、航空写真を一瞬で描き起こせる人が、普通の風景では同じことができないようなこともあります。

サヴァン症候群は、非常にアンバランスな能力と言えます。

ちなみに、芸術の分野に秀でた人は特殊な感覚を持っていることが多く、音を聞くと色が見えるような特殊な知覚能力を、シナスタジアと呼びます。

日常会話での使用方法

「僕は何もできないけど、あやとりだけは得意なんだ」

「のび太君かよ」



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