外部性とは?外部経済・外部不経済を、近所への影響から考える

外部性とは、ある人や企業の行動が、その取引の当事者以外に利益や負担を与え、その影響が価格や補償に十分反映されていないことです。自分の損得と、社会全体の損得にずれが生まれる原因になります。

負の外部性:買い手でも売り手でもない人の負担

架空の店が、夜に屋外で大きな音を出すイベントを開くとします。店は売上を得て、参加者は楽しみます。一方、近所の住民が眠れなくなるなら、取引に参加していない人にも負担が生じています。

店と参加者だけで料金を決めると、この負担が意思決定から抜け落ちる可能性があります。こうした不利益の外部性を、負の外部性、外部不経済と呼びます。単に「嫌なこと全般」の別名ではなく、利益や費用が誰に帰属するかに注目する言葉です。

正の外部性:周囲にも便益が広がる

自宅の前の花壇を手入れし、通りを歩く人も景観を楽しめるとします。通行人からその便益への対価を受け取っていないなら、正の外部性、外部経済の例として考えられます。

ただし、実際の評価は人や条件で変わります。植栽が通行を妨げれば別の負担も生じます。「良い活動だから正の外部性」と決める前に、誰に、何が、どの程度起きるかを見る必要があります。

私的費用と社会的費用を分ける

説明用に、イベントを1回追加する便益が参加者に合計12、店の追加費用が8、近隣への追加負担が6あるとします。便益・負担を同じ尺度で表せると仮定したモデルです。料金の支払いは当事者間の移転なので、社会全体では便益に重ねて数えません。

数える範囲差し引き
店と参加者だけ12 − 8 = 4
近隣の負担も含む12 − 8 − 6 = −2

社会的な追加費用は、私的な追加費用8と外部への追加費用6を足した14です。当事者には成立してほしい取引でも、全体では追加便益を追加費用が上回る場合があります。現実の負担をこのように正確な数値で測れるとは限りません。

外部性への対策は、影響を判断に取り込む工夫

音量・時間帯のルール、防音設備、影響を踏まえた課金や補償、当事者同士の話し合いなどが考えられます。どれを選ぶかは、影響の測定、関係者の人数、交渉や運用にかかる費用によって変わります。

課税や補助金を入れれば自動的に最適になるわけではありません。負担の大きさをどう見積もるか、誰が支払うか、ルールを守れるかも必要です。対策の費用も含めて比較します。

公共財・コモンズとの違い

公共財は、利用者を排除しにくいことと、利用が競合しにくいことに注目した財の分類です。外部性は、行動の影響が当事者の外へ及ぶ関係に注目します。互いに関係しますが、同じ言葉ではありません。

コモンズの悲劇では、共有資源を使う利益は自分に集まり、資源が減る負担は他者にも広がるというずれが問題になります。何が共有され、何が減り、誰が負担するかを書き分けると整理できます。

外部性と公共財の比較記事では、騒音・花壇・公開マニュアルの例から、影響と利用条件を切り分けます。

理解を確かめる小さな問題

店が材料費を払い、料理を客に売りました。材料費は、店の外へ支払うので「外部費用」でしょうか。

答えと考え方を見る

いいえ。「外部」は社外への支払いという意味ではありません。材料費は取引を行う店が負担する私的費用です。外部費用は、取引の当事者ではない人などに及び、判断に十分反映されていない負担を指します。

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参考資料

本文の事例・数値は、説明用に作成したものです。

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