ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
ユートピアとは
ユートピアとは、イギリスの思想家であるトマス・モアの小説である『ユートピア』に登場する架空の国家の名前です。
ユートピアは現実には存在しない理想の世界として描かれており、その素晴らしい世界と対比することによって現実世界の問題点を浮き彫りにするという内容の小説となっています。
転じて、ユートピアは「理想郷」や「存在しない場所」という意味の言葉として使われます。
小説『ユートピア』に登場するユートピアでは、私有財産制が否定されており、人々に貧富の差はありません。
そして、人々は日に6時間だけ働き、余暇は団らんしたり勉強をしたりして過ごすことができます。
トマスモアは、このようなある種、社会主義的な国家を理想郷として描きました。
ディストピアとは
ユートピアの対義語の悪い世界は、ディストピアと呼ばれます。
ディストピアを描いた小説としては、ジョージ・オーウェルが書いた『1984年』が有名です。
『1984年』に描かれた国家は、ビッグ・ブラザーと呼ばれる指導者に支配されています。
監視社会であり、国家に反対するような行動をした場合はすぐに粛清されてしまいます。
表現の自由もなく、物資も欠乏しているため、貧しい生活を送らなければなりません。
こうした理想の世界とは真逆の苦しい世界をディストピアと呼んでいます。
日本という国家の行く末は?
トマス・モアは私有財産を否定した平等な社会をユートピアと呼びましたが、果たしてそれは理想の社会なのでしょうか。
中には、財産を持つことを許されず、国家に管理されたトマス・モアの描いた社会はディストピアだと言う人もいます。
ある人にとっては理想のユートピアも、別の人にとっては地獄のディストピアになりうるのです。
日本は2017年にマイナンバー制度を導入し、国民を一意の数字で管理できるようになりました。
また、国民全員に最低限度の収入を保証し、経済格差を減らすベーシックインカムの導入も議論されています。
政府によって管理され、貧富の差が無くなった国で生きる国民は果たして幸せなのでしょうか。
これからの日本がみんなにとってユートピアと呼べる国になってくれることを願います。
日常会話での使用方法
「男が俺以外絶滅した世界に住みたいな」
「それはユートピアかディストピアどっちなんだろう」
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