相関係数とは?計算例と「相関0でも関係がある」をやさしく解説

相関係数は、二つの数値の関係を要約する指標です。ここではピアソンの相関係数rを扱います。−1から1の間で、直線的な関係の向きと強さを表します。「どんな関係でも一つの数字で分かる」「原因の強さが分かる」という指標ではありません。

正・負・0の読み方

値直線的な関係の読み方注意点
正一方が大きいほど、他方も大きい傾向一方を増やせば他方が増えるとは限らない
負一方が大きいほど、他方は小さい傾向悪い関係という評価ではない
0直線的な関係を、この指標では捉えない曲線的な関係がないとは言えない
1または−1全ての点が傾きのある一直線上因果の証明にはならない

0.8は−0.8より強い、という読み方はしません。向きが違い、直線へのまとまりを示す絶対値は同じです。「0.7以上なら何にでも強い」といった境界も万能ではなく、測定の性質や用途を踏まえて読みます。

5人の通勤時間と読書時間を組にする

同じ人の通勤時間Xと読書時間Yを一組にした、架空の例です。別々の人のデータを並べたり、片方だけを並べ替えたりしてはいけません。

人通勤時間X(分)読書時間Y(分)
A102
B203
C303
D404
E508

Xの平均は30分、Yの平均は4分です。平均より大きい・小さいという動きがそろうかを、ずれの積で見ます。

人X−30Y−4ずれの積
A−20−240
B−10−110
C0−10
D1000
E20480
合計00130

計算式を小さい数で確かめる

相関係数は、ずれの積の合計を、XとYそれぞれの二乗和の積の平方根で割ります。

r=Σ[(X−Xの平均)(Y−Yの平均)]÷√{Σ(X−Xの平均)² × Σ(Y−Yの平均)²}

今回、Xのずれの二乗和は400+100+0+100+400=1,000。Yは4+1+1+0+16=22です。したがって、r=130÷√(1,000×22)≒0.876。この5組では正の直線的な関連があります。

分や秒へ単位を変えても、同じ正の倍率での換算ならrは変わりません。また、どちらかの値が全て同じなら分母が0になるため、ピアソンの相関係数は定義できません。関連がないから0、と置く状況とは違います。

r=0なのに、完全な規則がある例

Xを−2・−1・0・1・2、Yをその二乗の4・1・0・1・4とします。YはXから完全に決まりますが、ピアソンの相関係数は0です。左側ではXが増えるとYが減り、右側ではXが増えるとYも増えるため、直線的な方向が打ち消されます。

横軸X、縦軸Yで点を描くと、U字の形が見えます。相関係数を出す前に散布図を見る理由はここにあります。数字だけでは、曲線、集団の混在、離れた一点の存在を見落とすことがあります。

相関があっても、原因はまだ分からない

上の通勤と読書の例でも、「通勤を延ばすと読書が増える」とは言えません。交通手段や仕事の形が両方に関係するかもしれず、そもそも5人だけの作例です。原因を考えるには、時間の順序、他の条件、比較の仕方を追加で確かめます。

相関がないことだけで因果関係を否定するのも早計です。曲線的な効果や、集団を混ぜることによる打ち消しがあり得ます。科学的に考えるための用語一覧では、観察から説明を作り、確かめる順番を整理しています。

別の要因が関連を作る例は、交絡の具体例と比較表で詳しく扱っています。集め方からは調査・アンケートの用語一覧をご覧ください。

計算結果を読む前の四つの確認

  1. 同じ対象のXとYが、正しく対応しているか。
  2. 散布図に曲線・複数の集まり・離れた点がないか。
  3. 何組のデータで、どんな方法で集めたか。
  4. 関連の説明を、原因の断定に置き換えていないか。

小さな標本のrは、一つの観測で大きく動くことがあります。離れた点も、誤記なのか実在の特徴なのかを確認して扱います。また、今回の0.876は5組を記述する数値であり、母集団の相関が同じ値だと保証するものではありません。

確認問題:Xを2倍にしたら、今回のrも2倍?

いいえ。分子が2倍になる一方、分母もXの二乗和の平方根を通じて2倍になり、打ち消し合います。rは0.876のままです。単位換算と、データの対応関係を変える操作は区別します。

参考資料

本文の人物・場面・数値は、説明用に作成した架空の例です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です