ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
ブルックスの法則とは
ブルックスの法則とは、アメリカのソフトウェア技術者であるフレデリック・ブルックスによって提唱された、遅延しているITプロジェクトへの人員の追加投入は、プロジェクトをさらに遅らせてしまうという法則です。
例えば、あるITプロジェクトで、10人月分の遅延をしているとします。
その時、遅れを1か月で取り戻そうと、10人の人員を追加投入したとしても上手くいく確率は低いです。
新たに投下された人員が仕事に慣れるまでに時間がかかりますし、人員が増えることによってコミュニケーションのコストも増大します。
また、タスクを分解し、多くの人員に割り振るのにも限界があります。
追加で10人もの人員を投入することで、むしろ遅延が拡大する恐れもあります。
そのため、10人月の遅延を無理をして1か月で取り戻すのではなく、追加で3人を投入し、4か月程度かけて完結させるのが現実的でしょう。
わかりやすい比喩として、ブルックスの法則は、妊婦を9人集めても1か月で赤ちゃんは産めないのと同様だと例えられます。
その他の業界への適用
ブルックスの法則は、主にITプロジェクトでのみ適用されます。
例えば建築作業の現場で10人月の作業遅延が発生した場合であれば、10人の人員を投下すれば概ね1か月程度で遅延を解消できます。
建築作業のような比較的単純なタスクであれば、誰でもすぐ作業を開始することができるでしょうし、コミュニケーションのコストもそれほどかかりません。
ITプロジェクトと比べるとタスクの細分化を比較的容易でしょう。
追加投入した人員が容易に活躍できない点で、ITプロジェクトの難しさがわかります。
日常会話での使用方法
「いかん、プロジェクトが遅延している・・・とにかく人員を投入だ!」
「そんなんじゃブルックスの法則で上手くいかないですよ」
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