干渉は、重なった波によって強め合う場所や弱め合う場所が生じることです。小さな振幅の波など、重ね合わせを使える範囲で考えると、その場所の変位を足すことで仕組みが見えてきます。
足すのは、波の高さの符号付きの値
基準位置より上をプラス、下をマイナスと決めます。同じ場所・同じ時刻で、一方が+2、もう一方が+1なら、合計は+3。一方が+2、もう一方が−2なら合計は0です。ここでの数字は説明のための変位で、音の大きさやエネルギーをそのまま足した値ではありません。
同じ場所・同じ時刻 波A +2 + 波B +1 → 合計 +3 波A +2 + 波B −2 → 合計 0
山と山なら強め合い、同じ大きさの山と谷なら打ち消し合います。ただし波が通る向きと、媒質が揺れる向きは同じとは限りません。音なら、空気の圧力などの変化として考えます。
位相差で、重なり方が変わる
同じ周波数・同じ振幅の正弦波を考えます。位相がそろえば山と山が重なり、半周期ずれれば山と谷が重なります。二つの波の関係が一定に保たれると、安定した干渉の模様を考えやすくなります。
| 位相の関係 | 等振幅の波の重なり | 条件 |
|---|---|---|
| そろう | 振幅が2倍 | 同じ周波数で同位相 |
| 半周期ずれる | 変位が打ち消し合う | 振幅も一致する |
| 途中のずれ | 中間の振幅になる | 符号付きの変位を足す |
周波数がわずかに違う場合には、位相差が時間とともに変わるため、強くなったり弱くなったりする「うなり」が現れます。同じ条件の静止した模様と分けて考えましょう。
消えた場所があっても、エネルギーが消滅したとは限らない
ある点の変位が0でも、空間全体のエネルギーがなくなったという意味ではありません。ほかの場所で強め合ったり、運動と変形のエネルギーが入れ替わったりします。何を足したのか、どの範囲を見ているかが大切です。
ノイズを打ち消す仕組みも、任意の音を部屋全体から完全に消せるという話にはなりません。対象となる場所、波の到着時間、周波数などの条件があります。
干渉・回折・屈折を分けて読む
重なりによる強弱が干渉、障害物や開口の近くで波が広がる現象が回折、媒質や速さの違いに伴う進み方の変化が屈折です。実際の現象では同時に関わることもあります。
水面の二つの波を想像したら、まず「同じ点の変位を足しているのか」「境界を通る話なのか」を確かめると、名前の違いが分かりやすくなります。