ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
目次
メサイアコンプレックスとは
メサイアコンプレックスとは、自分のことを救世主だと思い込み、他の人を助けてあげないと気が済まないという心理的な状態を指す言葉です。
メサイア(=メシア)はキリスト教に登場する救世主のことで、キリストコンプレックスや救世主妄想と呼ばれることもあります。
メサイアコンプレックスは人を助けようという心理であり、一見すると良いことのように思えます。
しかし、メサイアコンプレックスの本質は「他の人を幸せにしたい」という気持ちではなく、「人から感謝されたい」「他者を助けることで人に認められたい」という自己中心的な想いにあります。
自分に自信が無かったり劣等感を持っていたりすると、自己肯定感が低くなります。
そうした人たちは、他者を助けて感謝してもらうことで自分の居場所を作り出そうとし、メサイアコンプレックスに陥ってしまうのです。
メサイアコンプレックスの問題点
自分を削ってまで相手を助けてしまう
メサイアコンプレックスが行き過ぎると、何としてでも相手を助けてあげようという思いから、自分を犠牲にしてまで他者を助けようとしてしまうことがあります。
その結果、相手は救われても自分を傷つけてしまうことも少なくありません。
例えば、誰の目から見ても明らかな程のどうしようもないダメ男に尽くし、心も体もボロボロになってしまう女性をイメージしてください。
そういった女性は、相手に酷いことをされているにも関わらず、「この人は私がいないとダメだ」「私ならこの人を変えられる」という思いから、別れずにその人のために頑張り続けてしまいます。
また、ダメな彼氏と別れることができないのは、確証バイアスという心理効果が働いているという場合も考えられます。
相手の為にならないお節介になる可能性がある
メサイアコンプレックスは、自分が認められたいという利己的な心理である、相手のことを考えずに無理矢理にでも他者を手助けをしようとしてします。
そのため、自分にとっては手助けのつもりでも、相手にとっては余計なお節介だと捉えられてしまうこともあります。
自分本位に相手を助けようとするあまり、相手の気持ちを考えずに手を貸しても、ありがた迷惑でしょう。
相手が喜ぶと思って高額なプレゼントを頻繁に渡していても、もしかしたら相手は喜んでいないかもしれません。
まるで便器の蜘蛛の話のようです。
メサイアコンプレックスの特徴
メサイアコンプレックスに陥る人は、「世の中の人を救いたい」「人に認められたい」という思いから、弱った人を助ける看護師や介護士、子供から尊敬される教師になることもあります。
そうした職業の人たちが全員メサイアコンプレックスだということは無いでしょうが、困っている人を救うことで自分に従わせようとしたり、自分の存在を認めてもらいたいと考えたりしている人は、もしかしたらメサイアコンプレックスの予備軍なのかもしれません。
軽度なものも含め、人口の10%はメサイアコンプレックスに類似した信念を持っていると考えられています。
日常会話での使用方法
「僕は毎日すれ違う人にお金を配りながら出勤してるよ」
「メサイアコンプレックスかよ」
メサイアコンプレックスの記事
判りやすくて情報量も多くて、面白かったです。
先日、某掲示板で「敵意帰属バイアス」って言葉を見つけました。
もし、気が向かれたら、解説をお願いします。