不変量とは?パズルで「変わらないもの」を見つける考え方

手を動かしても、なかなかゴールに近づかない。そんなパズルでは、「何を変えるか」より先に、操作しても変わらないものを探すと見通しがよくなります。この手がかりを、数学では不変量と呼びます。

ここでは、色の違うチップを交換する小問で、不変量の見つけ方を考えます。複雑な公式を知らなくても、足し算と掛け算で確かめられます。

不変量とは?「決められた操作」に注目する

不変量とは、ある操作をしても値が変わらない量のことです。例えば、三つの箱の間で石を移すだけなら、各箱の石の数は変わっても、全部を足した数は変わりません。

大切なのは、どの操作を許すかです。箱の外から石を追加してよいなら、合計は変わります。「何があっても不変」という意味ではなく、問題で決められたルールのもとで不変なのです。

英語ではinvariantといい、値だけでなく、操作の前後で保たれる性質も扱います。コーネル大学の数学教材紹介でも、ゲームやパズルを通して学ぶ考え方として取り上げられています。

小問:赤と青のチップを交換できる?

手元に赤いチップ6個と、青いチップ1個があります。交換所では、次の交換だけを何回でも行えます。

  • 赤3個を渡し、青2個を受け取る
  • 青2個を渡し、赤3個を受け取る

渡すチップが足りない交換はできません。チップを捨てたり、これ以外の方法で増やしたりすることもできません。最後に赤を0個、青を6個にできるでしょうか?

ヒントは、枚数の合計が変わることです。赤3個を青2個に替えると、チップは1個減ります。そこで、色ごとに違う点数を付けてみましょう。

答え:赤を2点、青を3点として数える

答えは、できません。赤を1個2点、青を1個3点として、手元の合計点を数えます。

  • 赤3個は、3×2=6点
  • 青2個は、2×3=6点

どちら向きに交換しても、渡す分と受け取る分は6点ずつ。同じ点数を取り替えるので、全体の合計点は変わりません。これが、この小問の不変量です。

最初の点数は、6×2+1×3=15点。目標の青6個は、6×3=18点です。何回交換しても15点のままなので、18点の状態には届きません。

ここで付けた点数は、チップの値段ではありません。交換の前後を比べるために、こちらで決めた数です。「赤3個と青2個が同じ点数になる」という条件から、赤2点・青3点を選びました。

目標が青5個なら、実際にたどり着ける

青5個なら15点なので、不変量の条件には合います。さらに、赤3個を青2個に替える交換を2回行えば、次のように到達できます。

赤6・青1 → 赤3・青3 → 赤0・青5

「点数が同じ」と「到達する手順がある」は、分けて確かめましょう。一般には、不変量が一致しても、ほかの制約で動かせない場合があります。この例では、実際の手順も示せたので、青5個にできると結論できます。

不変量を探すときの三つの手順

  1. 一手で何が変わるかを書く。色別の個数、合計、位置などを整理します。
  2. 変化が打ち消し合う数え方を探す。普通の合計でだめなら、種類ごとに点数を変えてみます。
  3. 最初と目標を比べる。不変量が違えば、そのルールでは到達できません。

何回か試して変わらなかっただけでは、まだ十分ではありません。許されたどの一手でも変わらないと説明できれば、何手続けても保たれます。ゲームの操作に不変量を使う考え方は、デューク大学の教材にも例があります。

パズルで行き詰まったら、盤面全体を一つの数に置き換えてみてください。手順を探す前に、ゴールそのものが可能か分かることがあります。

条件を読み解く遊びが好きな方は、Takeru Itoのアプリ一覧から、気になる論理パズルも探してみてください。

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