アガペー:無償の愛ってどんなもの?(知的な小話218)

ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。

アガペーとは

アガペーとは、キリスト教における考え方の一つで、神の人間に対する愛を指すギリシャ語です。

神は全能な存在であり、人間を愛することに何のメリットもありません。

それにも関わらず、不完全な人間に対して無限の愛を人間に注いでくれます。

そうした性質から、アガペーは見返りを求めない無償の愛だと言えます。

キリスト教の中では、神が人間を愛するように、人間同士も互いを無償の愛を持って愛することが大事だとされています。

右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ

新約聖書に登場するイエスの有名な言葉として「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」というものがあります。

アガペーの考え方を象徴する言葉です。

「目には目を、歯には歯を」と言われるように、何か危害を加えられた時には、同等の仕返しをしてもよいという考え方もありますが、それとは真逆の考え方です。

復讐をしても、新たな復讐を呼び、報復の連鎖を生み続けるだけです。

たとえ何者かが自分に敵対するような行動をしても、無償の愛を持ってそれを許し、報復そのものを否定すべきだというのがキリスト教の考え方です。

キリスト教における煉獄という概念も、キリスト教が「許しの宗教」であることをよく表しています。

その他の愛の概念

アガペーとは別の愛の概念として、エロス、フィーリア、ストルゲーというものがあります。

エロスとは

エロスとは、異性に対する本能的、衝動的な恋愛感情です。

キリスト教では自己を充足させる愛だとされており、アガペーとは対立する概念です。

フィリアとは

フィリアとは、友人や隣人に対する愛です。

これもエロスと同様、自らを外の世界とつなげることで、満足を得ようとする愛だと言えます。

ストルゲーとは

ストルゲーは、血縁関係にある者に対する愛で、家族愛と訳されます。

親子関係や兄弟関係といった、根本的な繋がりに対する愛です。

日常会話での使用方法

「僕はアガペーで世の中の女の子をみんな愛してるんだ」

「それはエロスだろ・・・」



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