自己組織化臨界性は、外からゆっくり駆動される系が、細かなパラメータ調整なしに臨界的な振る舞いへ向かうという考え方です。砂山の模型が有名ですが、現実の砂山すべてが同じ法則に従うという意味ではありません。
読み:じこそしきかりんかいせい / 英語・別名:self-organized criticality SOC
砂を一粒ずつ落とす、という模型
格子の各場所に数を置き、しきい値を超えると隣へ分配する砂山模型を考えます。追加はゆっくり行い、崩れが終わってから次を足します。境界からは量が失われ、駆動と散逸が釣り合う状態を調べます。
一粒を足して何も起こらない場合もあれば、隣への分配が連鎖する場合もあります。この連鎖を雪崩と呼び、動いた回数、継続時間、広がりなどを測ります。物理的な粒の運動をそのまま再現した模型ではありません。
臨界性は「危険が迫る」という意味ではない
臨界現象では、さまざまな尺度にまたがる揺らぎや相関が重要になります。自己組織化臨界性の自己組織化は、外から温度などを精密に臨界点へ合わせる代わりに、系の動きがその状態へ近づく点を指します。
雪崩の大きさの分布に、一定範囲でべき乗則が現れることがあります。ただし有限の模型には大きさの上限があり、どこまでも同じ分布が続くわけではありません。模型の保存則や境界条件にも結果は左右されます。
べき乗則だけで証明できるか
できません。似た分布は別の仕組みでも生まれます。観測した直線的な両対数グラフだけでなく、駆動と緩和の時間の分離、相関、サイズを変えたときの振る舞い、他の分布との比較が必要です。
地震、神経活動、社会現象への応用は研究されていますが、砂山の比喩だけで発生時刻や規模を予言できるものではありません。「小さな原因で大きな結果」という一般論と、検証可能な模型の主張を分けて読むのが大切です。