クリプトムネジアは、以前触れた内容が思い浮かんでも、その出所を思い出せず、自分の新しい発想だと受け取ってしまう現象です。「内容が記憶に残ること」と「それを記憶だと分かること」の違いが表れます。
読み:くりぷとむねじあ / 英語・別名:cryptomnesia 潜在記憶 無意識の剽窃
内容は戻るのに、出所が戻らない
以前読んだ物語の設定に似た案が、時間を置いて自然に浮かぶ場面を想像してください。内容を使えていても、どの本で読んだかや、他人の案だったことを思い出せなければ、新作だと感じる可能性があります。これは説明用の例で、似た作品があるだけで本人にこの現象が起きたと証明できるわけではありません。
「見覚えがある」とも少し違う
既視感では、初めての場面に見覚えがあると感じることが問題になります。クリプトムネジアでは、過去の内容を新しいものとして扱ってしまう点が中心です。またソースモニタリングは出所を判断する広い過程であり、その誤りすべてがクリプトムネジアではありません。
実験では、誰が出した語かを区別する
MarshとBowerの1993年の研究では、語探し課題で自分と相手が出した内容を扱い、その後に新しい語を出す場面などを調べました。記憶内容の利用と、出所の記憶を分けて測れることがポイントです。日常の著名な盗作事件を推測する話とは区別します。
意図していない可能性を説明する心理学の用語であって、特定の行為の意図や責任を自動判定するラベルではありません。本人が新しいと思ったという報告だけで、出所の確認が不要になるわけでもありません。
アイデアの記録に、出所も一緒に残す
読書メモを作るなら、引用した文章、自分の要約、そこから考えた案を分け、書名やURLも添えておくと後で確かめられます。これは記憶に絶対頼らない仕組みではなく、出所を確認する手掛かりを残す工夫です。
名前の不思議さは、忘れたはずの記憶が影響する点にあります。しかし「潜在的に覚えている」あらゆる学習をこの語で呼ぶと広げすぎです。内容が浮かび、その以前の由来を認識できず、新規の発想として受け取る、という組み合わせを押さえましょう。