エビングハウス錯視とは?周りの円で、真ん中の円の大きさが変わって見える

エビングハウス錯視は、同じ大きさの円でも、周囲に置く円の大きさなどによって違う大きさに見える現象です。記憶の忘却曲線とは別の話で、見かけの大きさを周囲との関係で捉える知覚の性質に関わります。

読み:えびんぐはうすさくし / 英語・別名:Ebbinghaus illusion Titchener circles ティチェナーの円

中央は同じ、周囲を変える

同じ直径の中央の円を二つ用意し、一方は小さな円で、もう一方は大きな円で囲みます。典型的には小さな円に囲まれた中央が大きく見えます。対象そのものを拡大した場合との違いは、中央の物理的なサイズを同じに保つ点です。

周囲の大きさだけで、全部決まる?

大きさの対比という言葉で入口を説明できますが、周囲との間隔、個数、配置なども影響します。囲む円が大きいという一点だけで、どんな図でも同じ強さの錯視になるとは限りません。知覚は対象だけでなく、空間的な文脈も使うという見方が役立ちます。

このページの二つの中央円は、SVGの同じ半径で描いています。大きさを変えるアニメーションは使っていません。見え方が違っても対象の数値は同じ、という比較ができるようにしています。

同じ半径18の中央円を大小の円で囲んだエビングハウス錯視小さい周囲の円大きい周囲の円橙色の中央円は、どちらも半径18
中央の橙色の円は同じ大きさです。周囲の大きさ・間隔・配置によって見え方が変わり得る体験用の図で、心理検査ではありません。(当サイト作成)

子どもも大人も、同じように見えるのか

Dohertyらの2010年の研究では、子どもと大人で周囲の大きさの影響が異なることが検討されました。結果は、文脈の利用を年齢などの条件とともに考える必要があることを示します。「子どもは錯覚しない」とあらゆる図へ一般化する読み方は避けます。

錯視に強く反応したから注意力が低い、反応しないから優れている、といった個人の評価にも使えません。研究では刺激と判断方法を統制し、複数回・複数人の結果を比べます。ここでの図は、現象の形を理解するための例です。

忘却曲線とは、何が違う?

エビングハウスの忘却曲線は、記憶保持が時間とともにどう変わるかを扱う話です。エビングハウス錯視は、その場の見かけの大きさの話です。同じ人名を含んでいても、横軸に時間を取る記憶の実験と、図形の周囲を変える知覚の実験を混ぜないようにしましょう。

錯視と忘却曲線は別の話

用語扱う対象変える条件
エビングハウス錯視見かけの大きさ周囲の図形の大きさ・配置など
エビングハウスの忘却曲線記憶の保持学習からの経過時間など

参考資料