機会費用とは、ある選択をしたために諦めた、実行可能な選択肢の中で次に価値の高いものの価値です。実際に支払ったお金だけでなく、時間や場所を別のことに使えなくなる負担も考えます。
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休日の2時間で考える
土曜日に自由な時間が2時間あり、散歩、読書、短い動画の制作のどれか一つができるとします。自分にとって読書が一番、散歩が二番、動画制作が三番なら、読書を選ぶ機会費用は、諦めた散歩の価値です。
散歩と動画制作を両方足すわけではありません。同じ2時間にどちらか一つしかできないなら、両方の価値を同時に得られたはずだとは言えないからです。もし散歩をしながら音声を聴けるなど組み合わせが実行可能なら、選択肢自体を組み直します。
数字で見る:記事を書くか、依頼を受けるか
説明用に、同じ3時間を使う仕事が二つあるとします。記事の制作から得られる価値を自分の判断で6,000円相当、依頼仕事の手取りを4,000円と見積もりました。ほかにもっと良い使い道はないものとします。
記事を書く機会費用は4,000円です。記事の価値との差は2,000円。ここでは「6,000円を得る」という面だけでなく、「4,000円を得る機会を手放す」という比較ができます。
この数値は架空です。実際の記事の将来収益は不確実で、経験や楽しさにも価値があります。休養が最も大切なら、次善の選択肢が有償の仕事になるとも限りません。すべてを無理に金額へ置き換える必要はありません。
サンクコストは過去、機会費用は今の選択
すでに買った、返金できない映画のチケット代はサンクコスト(埋没費用)です。途中で帰るか最後まで見るかを決める時点では、どちらを選んでも代金は戻りません。
一方、残りの1時間を映画に使えば、その1時間を休養や別の用事に使う機会を手放します。これが今の選択に伴う機会費用です。過去の支払いと、これから変えられる使い道を分けると、判断が整理されます。
返金・売却できるものの扱いまで比べたい方は、機会費用とサンクコストの違いをご覧ください。
よくある三つの取り違え
- 無料ならゼロ:参加料がなくても、時間や移動が必要なら別の活動を諦めます。
- 候補の価値を全部足す:同時にできない選択肢は、次善のものを基準にします。
- 価格と諦めた購入品を両方足す:同じ支出の別の表現を、二重に数えないようにします。
比較では、両案に共通する費用と、選ぶことで変わる費用も区別します。例えば家で過ごしても必要な食費全額を、外出の追加負担として扱うと、比較がずれることがあります。
迷ったときに書く3行
- 今使う資源は何か。時間・お金・場所などを具体化する。
- それを使わなければ、何ができるか。実行可能な候補に絞る。
- 次に良い候補と比べ、何を得て何を諦めるかを書く。
機会費用は、常に忙しく働くための言葉ではありません。休むこと、誰かと過ごすこと、試しに遊ぶことの価値も比較の中に入れられます。
理解を確かめる小さな問題
1時間でA・B・Cのいずれか一つだけができます。自分にとっての価値がA=10、B=7、C=4なら、Aを選ぶ機会費用はいくつですか。
答えと考え方を見る
7です。次に良い実行可能な選択肢はBなので、BとCを足した11にはしません。価値の数値は説明用の尺度です。
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参考資料
本文の事例・数値は、説明用に作成したものです。