波動関数は、量子状態を表し、測定結果の確率を計算するために使う数学的な表現です。よくψという文字で書かれます。水面の波のような物体をそのまま意味するのではなく、どんな測定の結果を予測するかと結び付いています。
読み:はどうかんすう / 英語・関連表記:wave function psi Born rule ボルンの規則
絶対値の二乗を、確率密度として読む
位置で表した一粒子の波動関数ψ(x)なら、|ψ(x)|²は位置の確率密度になります。ある範囲で粒子を見つける確率は、その範囲について確率密度を積分して求めます。
確率密度の高さと、その一点での確率を同じものとして扱わないようにします。連続した位置では範囲の幅も必要です。また全空間での確率の合計が1になるよう、状態を規格化します。
見えない位相が、干渉に効く
波動関数は一般に複素数を使い、大きさだけでなく位相を持ちます。二つの経路を重ね合わせる場合、単に各経路の確率を足すだけではなく、振幅を足した後に絶対値の二乗を取るため、干渉が現れます。
作例として同じ大きさの成分でも、相対位相によって強め合う場所と弱め合う場所が変わります。全体へ同じ位相を掛けることと、成分の間の相対位相を変えることは区別します。
確率の地図でも、知らないだけとは限らない
コインを箱へ入れ、表か裏かを知らない状況も確率で表せます。しかし量子の重ね合わせには、相対位相による干渉があります。「本当はどちらかだが知らないだけ」という普通の混合と、同じものとして扱えません。
この違いを考えると、シュレディンガーの猫で問われていることへ近づけます。ただし日常の猫を、一粒子の位置の波動関数の図だけでそのまま説明できるわけではありません。
波動関数の実在は、計算と別の問い
波動関数を世界の実在そのものと見るのか、情報や予測に関係する表現と見るのかは、量子力学の解釈に関わります。ここでは一つの解釈を事実として断定せず、予測の計算に何が必要かを入口にしています。
最初は「状態を表す」「確率を計算する」「相対位相が干渉に関わる」の三点を押さえると、神秘的な響きの言葉が具体的な道具に変わります。