直示とは?「私・ここ・明日」が、場面によって変わる理由

直示は、発話者・場所・時刻などの場面に依存して、語が指す対象が決まる働きです。「私」「ここ」「明日」などは、辞書の意味を知るだけでは具体的な対象を確定できません。

同じメモを翌日に読む

ある人が月曜日に「明日、ここで会おう」と書いたとします。火曜日に別の場所でそのメモを読むとき、明日を水曜日、ここを現在の場所と解釈すると約束を取り違えます。

このメモの基準は書いた人の発話場面です。時刻は月曜日、場所は書いたときに指していた場所、と基準点を戻してから対象を特定します。引用や物語では、基準点が移ることもあります。

1

「明日、ここで」

2

誰が・いつ・どこで述べたか

3

具体的な日時と場所を特定

読む時点ではなく、発話の基準点に戻る必要がある場合を示しています。

指示語すべてが同じ働きではない

「その本」が目の前の本を指す場合と、前の文で紹介した本を受ける場合では、参照の手掛かりが異なります。後者は照応として説明されます。実際の発話で直示と照応が重なる場合もあります。

人称・場所・時間だけでなく、社会関係や談話の位置に関わる区分もあります。ただし分類名を増やす前に、どの情報が分からないと対象を決められないかを確認すると実用的です。

案内文を読み違えにくくする

共有するメモでは「明日」を具体的な日付へ、「ここ」を施設名へ書き換えると、読む場面が変わっても分かりやすくなります。一方、会話では場面を共有しているからこそ短い語で伝えられます。

よくある疑問

直示は曖昧な表現という意味ですか?

必ずしもそうではありません。場面が共有されていれば明確に伝わります。何を基準に対象が決まるかを表す用語です。

参考資料

定義と論点を確認するための資料です。本文の身近な場面と数値は、理解のために作成した例です。

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