ここでは、日常会話で使える知的な小話と、実際の使用例を紹介します。
クライオニクスとは
クライオニクスとは、人体の冷凍保存を指す言葉で、現在の技術では治療不可能な病にかかった人を死後に冷凍保存し、科学技術が発展した未来に解凍して蘇生することを目的とした考え方です。
医療技術はどんどん進歩し続けており、治せる病気も増え続けていますが、まだまだ治療法が見つかっていない病気もたくさんあります。
クライオニクスは、そうした病気にかかってしまった場合に、わずかな可能性に望みをかけて選択されます。
まず、医師による死亡の判定がされると、迅速に死体を冷却して腐敗を防ぐための処置を行います。
その後、マイナス196度の液体窒素で冷凍状態に保って半永久的に保存され、科学技術の発展を待ち続けることになります。
そして遠い未来に、死体を復活させる技術が完成すれば、冷凍保存された状態から蘇らせてもらうのです。
ただし、科学技術が発展しても、冷凍保存した死体を復活できるかは確実ではありません。
しかし、何もしないと復活できる可能性は限りなく低いので、わずかな可能性に賭けたい人は考えてみても良いかもしれません。
魂のようなものが存在せず、人間の意識や記憶が分子に保存されているのならば、本当に生き返ることができるかもしれません。
費用は運営している団体によりますが、体の保存する部位によって異なり、数百万円~数千万円です。
頭部だけの保存だと割安で、全身を保存するとなると高額になります。
クライオニクスの実例
正確な数は不明ですが、2019年現在では、300人以上の死体が冷凍保存されているようです。
世界で初めて遺体を冷凍保存した人物は、カリフォルニア大学の教授であるジェームス・ベッドフォードです。
彼はすい臓がんを患っており、死期が近いことを悟ると、自らの体を冷凍保存するよう遺言を残しました。
そして1967年に亡くなると、世界初の人体の冷凍保存処置が行われました。
初めのうちは冷凍保存された彼の体は残された家族が管理していましたが、現在はクライオニクスを行う民間団体である「アルコー延命財団」に保存されています。
ジェームス・ベッドフォードは、今も医学の発展を冷凍保存状態で待ち続けています。
日常会話での使用方法
「ハンターハンターの最終回を見届けるために冷凍保存してもらおっかな」
「しょーもないことに使うな」
本サイトで紹介している用語一覧は以下です。