ポインティングベクトルとは?電磁場のエネルギーはどちらへ流れる?

ポインティングベクトルは、電磁場が運ぶエネルギーの流れを表すベクトルです。向きは流れる方向、大きさは単位面積を単位時間に通るエネルギーの尺度になります。

読み:ぽいんてぃんぐべくとる / 英語・別名:Poynting vector

電場と磁場から、流れの矢印を作る

真空では S=E×B/μ₀ と表します。Eは電場、Bは磁束密度、μ₀は真空の透磁率で、×は外積です。単位はW/m²です。一般的な巨視的な物質の扱いではE×Hという形を用い、物質中のエネルギー収支には適切な条件を考えます。

真空中の平面電磁波では、電場と磁場が互いに垂直で、それらに垂直な向きへエネルギーが進みます。外積の順番を逆にすると向きが反転するので、単なる大きさの掛け算ではありません。

太陽光を受ける面を考える

説明用に、時間平均のエネルギー流束を500W/m²とします。流れに垂直な0.02m²の面を通る電力は10Wです。面を傾けた場合は、ベクトルと面の法線の内積で通過量を求めます。

これは指定した条件で面を通るエネルギーの計算です。受け取った物体がすべて吸収するとは限らず、反射や透過を分ける必要があります。光の電場は高速で振動するので、強度を論じる際には時間平均を使う場面が多くなります。

電流や、電子の速度とは別の量

電流は電荷の流れ、ポインティングベクトルは電磁エネルギーの流れです。導線中の電子の移動だけを追っても、周囲の電磁場を含めたエネルギーの移動は説明しきれません。回路でも電場と磁場の分布が重要になります。

また局所的なSの向きや大きさだけを、粒子や情報の移動速度と同一視しません。場に蓄えられるエネルギーと物質へ渡される仕事を合わせた保存則が、ポインティングの定理です。流れの矢印は、収支全体の一部を表しています。

参考資料