量子もつれとは?離れた粒子の相関と、超光速通信の違い

量子もつれは、全体の量子状態を、各部分が独立に持つ状態だけへ分けて説明できない関係です。離れた場所で測った結果の相関が重要になります。ただし、一方の人が好きな結果を選んで、もう一方へ瞬時にメッセージを送れるという意味ではありません。

読み:りょうしもつれ / 英語・関連表記:quantum entanglement エンタングルメント

普通の「組になった情報」から考える

左右の手袋を一つずつ箱へ入れ、遠くへ運びます。一方が右手用なら、もう一方は左手用です。この強い相関だけなら、中身が初めから決まっている普通の模型で説明できます。

量子もつれの不思議さは、単に結果がそろうことだけにはありません。測定の設定を変えた複数の相関を比べると、ある条件を満たす局所的な隠れた変数の模型には収まらない予測と実験結果が現れます。

ベルの不等式は、説明の条件を試す

ベルの不等式は、局所性などの一定の前提を置いた模型が満たす相関の制約です。量子の予測や実験では、その制約が破られる場合があります。実験でどの設定を選び、どの事象を数えたかが重要です。

だからといって「原因は何でもよい」「すべての解釈が一つに決まった」とは言えません。どの仮定を組み合わせた模型が合わないのか、という問いと、世界像の解釈を分けます。

局所の記録を持ち寄って、相関を確かめる離れた場所で得た記録を、通常の通信で照合して相関を調べます。適切な測定条件の相関は古典的な模型では説明できませんが、片側の結果を自由に選んで情報を送れるわけではありません。もつれた組を用意A側の測定結果を記録B側の測定結果を記録通常の通信で記録を照合結果を選んで瞬時に送る装置ではない
離れた場所で得た記録を、通常の通信で照合して相関を調べます。適切な測定条件の相関は古典的な模型では説明できませんが、片側の結果を自由に選んで情報を送れるわけではありません。(当サイト作成の模式図)

相関を知るには、結果を突き合わせる

各地点で得る結果は、それだけを見れば確率的です。一方の測定者が、結果を自由に0や1へ指定することはできません。相関を確認するには、設定と測定結果を通常の通信で共有して照合します。

このため、量子もつれだけを使った超光速通信にはなりません。量子テレポーテーションでも通常の通信が必要で、人間や物体が瞬間移動する装置という意味ではありません。

どこで役立つ考え方?

量子情報では、もつれを資源として使う手順が研究・実装されています。一方、環境とのもつれは、部分系の干渉が見えにくくなるデコヒーレンスにも関わります。便利な相関と、制御しにくい環境の関係を同じ枠組みで考えられる点が興味深いところです。

身近な人との「心が通じる」ことを示す証拠ではありません。量子状態と測定手順を指定した物理の言葉として読むことで、実際の面白さが見えてきます。

相関があることと、情報を送れること

観点量子もつれの相関通信したいときの条件
結果組としての統計に特徴がある送り手が意味のある内容を指定する必要
片側だけで見る相手が自由に選んだ文が現れるわけではない局所の記録だけで瞬時の受信はできない
確かめ方記録を持ち寄って比較通常の通信経路が必要

同じ手袋を二つに分けたような単純な相関だけでは、適切な測定で得られる量子の相関を説明しきれません。神秘的な遠隔意思伝達という意味でもありません。

参考資料