使う資源や活動する条件、他種との関係などを通して捉える、その生物の生態上の位置づけです。
まず、身近な例で考える
同じ池の鳥でも、深い水で魚を捕る鳥と岸で小動物を食べる鳥では資源利用が違います。
住所のような生息場所だけを指す言葉ではありません。
生息地:同じ池
鳥A:深い水・魚を利用
鳥B:岸辺・別の餌を利用
同じ場所でも、使う資源が違う
同じ池に二種類の鳥がいるとします。一方は深い水で魚を捕り、他方は岸辺で小さな無脊椎動物を食べます。地図上の生息場所は重なっていても、食べ物、活動する位置、相手との関係は異なります。
ニッチを考えるときは、何を食べるかだけでなく、温度などの環境条件や活動時間も手がかりになります。単に「生態系での職業」と言い換えるだけでは、扱う条件の広がりが見えにくくなります。
暮らせる範囲と、実際に暮らす範囲
競争相手などを除いて生理的に利用できる条件の範囲と、実際の相互作用の中で利用している範囲は違う場合があります。基本ニッチと実現ニッチという区別は、この違いを考える助けになります。
二種が同じ資源を必要とすると競争が生じ得ますが、すぐにどちらかが消えると断定はできません。環境の変動、資源の分け方、空間の違いなどが結果に関わります。
ニッチという比喩を使うときの注意
市場の隙間をニッチと呼ぶことがありますが、生態学の概念をそのまま企業や人間の優劣へ当てはめることはできません。生物の関係を説明する用語と、社会の価値判断は分けて考えます。
自分で確かめる小問
同じ森林に住む二種は、同じニッチ?
生息地が同じだけでは決まりません。食物、活動時間、必要な条件なども比較します。
参考資料
本文の場面・数値例は、定義を理解するための説明用作例です。