相手がどこを選んでも、こちらには返す手がある。そんな仕組みを作れると、石取りゲームの先を一手ずつ全部読む必要がなくなります。その手がかりになるのが対称性です。
対称性とは、ある線で折り返す、ある角度だけ回すなど、決まった変換をしても形や配置が変わらない性質のこと。ここでは7個の石を使い、「左右が同じ」を勝ち方につなげる方法を考えます。
目次
パズルでは、ルールも対応しているかを見る
左右対称な盤面では、右端の位置と左端の位置、右から2番目と左から2番目を対応させられます。ただし、片側だけ通れない、右へしか動けないなどのルールがあれば、見た目が同じでも同じ手は使えません。
確かめたいのは、ある場所でできる操作が、対応する場所でもできるかです。コーネル大学の対称性を使ったゲームの教材でも、相手の手を反対側でまねる戦略が紹介されています。
例題:7個の石取りで、先手は勝てる?
紙に1から7までの番号を横一列に書き、それぞれの上へ石を1個ずつ置きます。2人が交互に石を取り、最後の石を取った人が勝ちです。自分の番には、次のどちらかを行えます。
- 残っている石を1個取る
- 番号が連続する2か所に石が残っていれば、その2個を一緒に取る
取った後も石を詰め直しません。例えば4番が空いても、3番と5番を一緒には取れません。パスもできません。このルールで、先手が相手の選び方によらず勝つには、どうすればよいでしょう。
ヒントを見る
まず1手で、同じ形のまとまりを左右に作れないか考えます。中央の4番は、自分自身と対応する特別な位置です。
最初の一手と、その後の方針を見る
先手は最初に4番の石を1個取ります。すると左に1・2・3、右に5・6・7が残ります。その後は相手が取った場所を、中央に対して鏡写しにして取ります。
- 相手が1番を取ったら、7番を取る
- 相手が2・3番を取ったら、5・6番を取る
- 相手が6番を取ったら、2番を取る
対応は「1と7」「2と6」「3と5」です。相手が途中で左右を変えても、その都度、反対側の対応する石を取れば構いません。
なぜ、鏡写しの手が必ず残っているのか
最初に4番を取った直後は、石の有無が左右で一致しています。ここから相手が片側の石を取っても、その鏡写しの石は反対側に残っています。2個をまとめて取る場合も、対応する2個は連続した番号です。
中央に空きがあり、石を詰めないため、一手で左右両側の石を取ることはできません。だから相手の手と、こちらの鏡写しの手は重ならず、こちらの番にも合法な手が残ります。
こちらが取り終えるたびに、残りの配置はまた左右対称になります。石は毎回減るのでゲームは必ず終わり、相手の手には必ずこちらの返し手があります。したがって、最後の石を取るのは先手です。
一例は「先手4番 → 後手1・2番 → 先手6・7番 → 後手3番 → 先手5番」。これは進み方の一例で、勝ち方を保証しているのは、どの手にも返せるという仕組みです。
条件を変えたとき、そのまま使える?
「隣り合わなくても2個取れる」に変えると、同じ説明は使えません。先手が4番を取った後、相手は1番と7番を同時に取れます。その鏡写しも1番と7番なので、すでに取り去られていて、まねできないのです。
また、「最後を取った人が負け」というルールなら、最後を取れることは勝利の理由になりません。配置、許された操作、勝敗の条件までそろえて、戦略を確かめる必要があります。
この例で保っている「自分の番が終わると左右対称」という性質は、不変量・保たれる性質を探す考え方にもつながります。ただし、今回は一手ごとではなく、相手と自分の二手を一組にして見ています。
8個に増やしたら、最初にどこを取る?
同じルールで、1から8まで石を並べた場合も考えてみましょう。中央に石が一つだけあるとは限りません。
8個の場合の答えを見る
最初に中央の4・5番を一緒に取ります。左右に3個ずつ残り、対応は1と8、2と7、3と6。その後は同じ鏡写しの戦略で勝てます。
盤面が似ているところを見つけたら、「同じ形に戻せるか」「返す手は重ならないか」まで考えてみてください。ほかの考える遊びも試したくなったら、謎解き・パズルのアプリ一覧から好みの作品を探せます。

