最初の一手をいくら考えても進まないとき、ゴールの一つ手前から考えると、道筋が見えることがあります。パズルで使う逆算は、分かっている結果から、そこへ至る操作を逆の順番でたどる方法です。
ただし、「答えから戻れば必ず一つに決まる」とは限りません。計算の小問を解きながら、逆算の手順と、途中で候補が分かれる場合を確かめましょう。
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逆算では、操作と順番の両方を逆にする
ある数に3を足してから2倍し、結果が14になったとします。最後に行ったのは2倍なので、まず14を2で割って7に戻します。その後で3を引けば、最初の数は4です。
14から先に3を引いてはいけません。戻す対象は、いつも最後に行った操作です。「靴下を履いてから靴を履いたなら、脱ぐときは靴が先」と考えると、順番をつかみやすくなります。
英語では、ゴール側から考える方法をworking backwardsと呼びます。ケンブリッジ大学の数学教育サイトNRICHも、問題解決で使う技能の一つに挙げています。
例題:計算装置に入れた数はいくつ?
ある正の整数を装置に入れると、次の処理をこの順番で一度ずつ行い、最後に26が表示されました。途中の数もすべて正の整数になっています。最初に入れた数はいくつでしょう。
- 3倍する
- 6を引く
- 2で割る
- 5を足す
ヒントを見る
26になる直前の操作は「5を足す」です。その一つ前の数は、26から何をすれば求められるでしょう。
答えと逆算の手順を見る
答えは16です。最後の26から、処理を一つずつ取り消します。
- 5を足す前は、26−5=21
- 2で割る前は、21×2=42
- 6を引く前は、42+6=48
- 3倍する前は、48÷3=16
逆向きの数の並びは、26 → 21 → 42 → 48 → 16。「足す」を「引く」に変えるだけでなく、4番目、3番目、2番目、1番目の順に戻しています。
求めた答えは、元の順番で確かめる
16を実際に装置へ入れるつもりで計算すると、16 → 48 → 42 → 21 → 26。すべて正の整数で、指定された順番を守って26に到達します。
この例では、それぞれの操作を戻したときの数が一つに決まるので、出発点も16に決まります。途中が整数になるか、必要な回数だけ操作したかなど、結果以外の条件も検算に含めるのが大切です。
最初から方程式「(3x−6)÷2+5=26」を立てても解けます。逆算は、この式に含まれる操作を外側から一つずつほどいていく考え方でもあります。
逆向きにたどると、候補が増えることもある
整数を2乗した結果が9なら、元の数は3と−3の二つです。「2乗を取り消すから3」と決めると、負の数を見落とします。元の数を正の整数に限る条件があれば、ここで初めて3に絞れます。
また、2桁の整数の一の位を消して1になった場合、元の数は10から19のいずれかです。消えた情報は結果だけでは復元できません。逆算とは、必要に応じて一つ前の候補をすべて残す作業でもあるのです。
「この操作ならこの結果になる」から、逆向きも一つに決まるとは言えません。矢印の向きを整理したいときは、必要条件と十分条件の違いも参考になります。
計算以外では「最後の一手」を探す
駒を特定の場所へ運ぶ問題なら、「その場所へ一手で入れるのはどこからか」を調べます。候補が一つなら、その直前の位置を絞れます。いくつもあるなら、候補を分けて考えます。
一方通行の道を逆から調べるときも、実際に逆走してよいわけではありません。「その矢印に沿って、こちらへ来られる場所」を探しています。見つけた道は、最後に出発点から正しい向きで通れるか確かめましょう。
練習問題で、戻す順番を確認しよう
ある正の整数を2倍し、3を足してから3倍すると45になりました。最初の数はいくつでしょう。
練習問題の答えを見る
45÷3=15、15−3=12、12÷2=6なので、答えは6。順方向でも、6 → 12 → 15 → 45と確かめられます。
手が止まったら、「ゴールは何か」「最後にできる操作は何か」「その一つ前は何通りあるか」と問い直してみてください。別の問題でも考える時間を楽しみたい方は、公開中の謎解き・パズルアプリから、気になる作品を探せます。

