ダンバーの数とは?「友人は150人まで」の意味と、つながりの深さ

SNSでは何百人ともつながっているのに、最近の出来事を話す相手は数人。名前を知っている人と、日々のやり取りがある人は、同じ範囲ではありません。

ダンバーの数は、人が維持する社会的な関係の規模について、約150人という目安で知られる考え方です。150人を超えた瞬間に友人を覚えられなくなる、という境界線ではありません。関係の広さと深さを考えるときに、よく話題になります。

約150人は、どこから来た?

人類学者ロビン・ダンバーが、ヒト以外の霊長類の新皮質の相対的な大きさと集団規模の関係から、人間の関係の規模を推定したことに由来します。名前の由来と推定方法は、ストックホルム大学の研究紹介でも説明されています。

ここで見ているのは、単に顔を見たことがある人の総数ではありません。関係を維持するには、相手の状況を知り、話し、会ったり連絡したりする時間が必要です。「知っている」と「関係が続いている」の違いを考えると、数字の話が身近になります。

150人全員が、同じ近さの友人というわけではない

ダンバーらの研究では、関係に層があるという見方も示されています。2016年の電話のやり取りを使った分析では、連絡頻度に基づく層の構造が見つかりましたが、中間の層の規模には大きなばらつきもありました。MacCarron・Kaski・Dunbar「Calling Dunbar’s Numbers」

身近に置き換えると、何でも相談する人、休日に会う人、ときどき近況を伝える人、同じ集まりで話す人。人間関係は、連絡先を等間隔に並べた一覧より、近さの違う輪として想像できます。

ただし、輪は固定席ではありません。進学、転職、引っ越し、共通の趣味などで、やり取りの頻度は変わります。昔は毎日話していた人と、久しぶりに会ってまた親しくなることもあります。

「誰にでも150人が上限」とは言えない

2021年の再分析では、霊長類の脳のデータから人間の集団規模を推定しても、結果の不確かさが大きく、精密な上限を出せないと指摘されました。再分析を行った研究者の説明

ですから、自分の友人数を150人と比べて、多すぎる、少なすぎると評価する数字には向いていません。少人数で深く話す時間が好きな人も、広い集まりを行き来する人もいます。人との付き合い方を、一つの定員へそろえる必要はないのです。

SNSのフォロワー数と比べると?

SNSのフォローには、友達、仕事の相手、好きな作家、ニュースの発信者など、違う関係が混ざっています。フォローしているからといって、互いに近況を知り合っているとは限りません。

たとえば、1,000人をフォローすることと、1,000人から届く個別の相談に毎週応じることでは、必要な時間が大きく違います。数字の大小を比べる前に、「どんな関係を数えているか」をそろえると、話がすっきりします。

組織づくりに、そのまま使える?

部署やコミュニティを150人以下にすれば、必ずうまくいくわけではありません。同じ人数でも、全員が毎日協力する場と、必要なときだけ集まる場では、やり取りの量が違います。

人数を一律に決めるより、「誰と誰が連絡する必要があるか」「初めての人が話しかける相手を見つけられるか」と、関係の形を見るほうが、具体的な工夫を考えられます。

自分の付き合い方を、数えずに見直してみる

数字の目標を立てる代わりに、最近話したかった人を、一人思い浮かべてみましょう。久しぶりに近況を聞く、共通の趣味の話を送る、一緒に何かをする。関係は、名前を一覧へ加えるだけではなく、やり取りの中で続いていきます。

ダンバーの数から持ち帰りたいのは、友人の定員ではなく、つながりには時間や関心が使われるという見方です。広さを求める日も、身近な人とゆっくり話す日も、自分のペースで選べます。

人との距離についてはヤマアラシのジレンマもどうぞ。一緒に笑うきっかけを探しているなら、友達や家族と遊ぶ「その場で大喜利」を紹介しています。

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