ブラウワーの不動点定理とは?円板の連続変形に、動かない点がある理由

ブラウワーの不動点定理は、閉じた円板や球などを自分自身の中へ連続に写すと、少なくとも一つ、写した先が元の位置と同じになる点が存在するという定理です。境界を含むことと連続性が重要です。

読み:ぶらうわーのふどうてんていり / 英語・別名:Brouwer fixed point theorem

「動かない」は、写像の前後が同じこと

写像をf、点をxと書くと、不動点はf(x)=xとなる点です。円板を中心の周りに回転する写像なら、中心は不動点です。定理はもっと一般的な連続写像にも不動点の存在を保証しますが、その場所や個数を直接教えるものではありません。

一次元なら、線が対角線を横切る

閉区間[0,1]をその中へ連続に写すfを考えます。f(0)−0は0以上、f(1)−1は0以下です。差f(x)−xが連続なので、途中で0になる点が存在します。これが一次元の入口で、円板や高次元の閉球へ広がるのが定理の姿です。

地図を同じ領域の中へ縮小して置く比喩も使えます。ただし対応する点の位置が連続に変わり、地図が対象領域の中へ収まるといった条件を確認します。破れた地図や領域外にはみ出した配置まで、無条件には含めません。

円周だけでは、反例が作れる

中心を含まない円周を少し回転させると、元の位置に残る点はありません。閉じた円板には内部があるのに対し、円周には穴がある。この違いが大切です。また開区間(0,1)の写像x→(x+1)/2には区間内の不動点がありません。

閉じた有界な球、連続写像、自分自身の中へ、という条件を外すと結論が壊れる例があります。定理の名前だけで「どんな操作でも動かない場所がある」と広げないようにします。

安定する点だとは限らない

不動点の存在と、繰り返し写したときに近くの点がそこへ集まることは別です。集まるか離れるかは安定性の問題です。また、途中の動きでずっと同じ場所だったことも保証しません。一回の写像の前後が一致するという意味を守ると、カオスの不動点とも比較できます。

参考資料