カルノーサイクルは、二つの温度の熱源の間で動く、可逆な熱機関の理想的な一周です。等温変化と断熱変化を二つずつ組み合わせ、同じ熱源間で動く機関の効率の上限を示します。
読み:かるのーさいくる / 英語・別名:Carnot cycle カルノー機関
熱を受け取り、仕事をし、一周する
熱機関は高温側から熱を受け取り、その一部を仕事として取り出し、残りを低温側へ渡します。作動物質は一周して元の状態へ戻ります。元へ戻るので内部エネルギーの一周の変化は0ですが、その間に熱も仕事も受け渡しています。
等温と断熱を、交互につなぐ
理想気体の模型では、まず高温THで等温膨張し、熱を受け取りながら仕事をします。次に可逆な断熱膨張で温度が低温TCまで下がります。三つ目はTCで等温圧縮し、低温側へ熱を渡します。最後の可逆な断熱圧縮でTHへ戻ります。
等温は温度一定、断熱は熱の出入りがないことです。断熱でも仕事によって温度は変わります。ここを取り違えると、なぜ二種類の過程を使うのかが見えなくなります。四段階は理想化であり、実機の摩擦や有限の温度差による損失は別に考えます。
効率は、温度の差だけでは決まらない
理想効率はη=1−TC/THです。両方ともケルビンを使います。TH=600 K、TC=300 Kなら50%。同じ300 Kの温度差でも、900 Kと600 Kなら約33%なので、差だけを見て同じ効率とは言えません。これは条件を決めた計算例で、実機の性能表示ではありません。
同じ二熱源の間では、可逆機関の効率を不可逆な機関は超えられません。一方、効率は出力や一秒に行う仕事の量とは別です。理想的にゆっくり行う可逆過程を、そのまま大出力の機械だと考えないようにします。
「熱を全部仕事にする」の条件
一回の過程で熱が仕事へ変わる場面と、作動物質が元へ戻る熱機関の一周は区別します。カルノーの限界は、二熱源間の周期的な機関についての話です。冷蔵庫のように逆向きに動かす場合は、外から仕事を与えて低温側から高温側へ熱を運びます。