二項分布は、成功確率が同じ独立な試行を決まった回数だけ繰り返し、成功した回数を見る分布です。「表か裏か」ではなく「4回中、表が何回か」に注目します。
まず四つの条件をそろえる
試行回数nを先に決める、各回を成功・失敗に分類する、成功確率pが各回で同じ、各回が独立。この四つを満たす模型を考えます。成功という名前は良い出来事を意味せず、数えたい側に付けるラベルです。
公平なコインを4回投げ、表を成功にすればn=4、p=1/2です。表が出るまで投げ続ける場合は回数が固定されていないので、この同じ設定には入りません。
表2回は、どんな順番で出る?
表表裏裏 表裏表裏 表裏裏表 裏表表裏 裏表裏表 裏裏表表
特定の並び「表表裏裏」が出る確率は(1/2)⁴=1/16です。「どこかで表が2回」は六つの並びを含むので6/16=3/8。回数だけを数えるときには順番の分をまとめます。
| 表の回数 | 並びの数 | 確率 |
|---|---|---|
| 0 | 1 | 1/16 |
| 1 | 4 | 4/16 |
| 2 | 6 | 6/16 |
| 3 | 4 | 4/16 |
| 4 | 1 | 1/16 |
並びの数の合計は16、確率の合計は1です。表と裏を入れ替えても同じため、この例は真ん中を挟んで対称になります。pが1/2でない二項分布まで、いつも対称とは限りません。
式の三つの部分を読む
成功がk回となる確率は、P(X=k)=C(n,k)pᵏ(1−p)ⁿ⁻ᵏです。pᵏは成功側、(1−p)ⁿ⁻ᵏは失敗側、C(n,k)は成功を置く場所の選び方です。
期待値はnp。この例なら2回ですが、毎回必ず2回出るということではありません。分布には0回や4回も含まれます。分散np(1−p)は1となり、中心と散らばりを別々に表せます。
サイトのクリック数に、そのまま使える?
100回表示された広告のクリックを数えると、見た目は成功回数に似ています。しかし同じ人が繰り返し見る、表示場所が変わる、流入元が違う場合には、独立・同じ確率の仮定を点検する必要があります。
この分布は現実の条件を省略した模型です。合う範囲を考えて使うことが大切で、数字を代入できることだけでは十分ではありません。分散と標準偏差、大数の法則へ進むと、回数と平均の違いも整理できます。